大判例

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東京高等裁判所 昭和32年(ネ)2627号 判決

被控訴人は控訴人吉田の抗弁はいづれも時機に後れたものとして却下を求めるのであるが、記録上明かな本件口頭弁論の経過によれば控訴人吉田は昭和三十一年八月一日の原審口頭弁論期日において被控訴人の請求原因事実に対する認否の答弁をしただけで爾来昭和三十二年九月二十八日の原審最終の口頭弁論期日迄の数回の口頭弁論期日竝びに当審における昭和三十三年六月二十一日及び同年八月二十八日の各口頭弁論期日において何等の抗弁をも主張することなく同年十月七日の期日に至りはじめて同控訴代理人より本判決事実欄に記載する抗弁を主張するに至つたのであつて右抗弁の提出は時機に後れてなされたものと認めるの外はないけれども、一方同控訴代理人は右抗弁の提出前同年八月二十八日の当審口頭弁論期日において被控訴人の請求原因事実に対する反証として証人吉田誠伸及び控訴本人両名の各尋問を申出で、当裁判所は同年十月七日の期日において右の反証及び同日新たに提出せられた前記抗弁についての証拠方法として同控訴人申出の右証人及び本人の尋問をすることを決定しその後の期日においてこれが証拠調を施行したのであつて、以上の経過に徴すれば控訴人吉田の右抗弁の提出は時機に後れたものであつてもこれが為に本件訴訟の完結を遅延せしめるものと認めるのは相当でないから、これについては却下の裁判をしない。

(奥田 岸上 井波)

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